インターネットやクラウドの普及に伴い、企業のネットワーク環境は多様化しています。拠点間やクラウドサービスとの通信には、高速で安定したWAN(広域ネットワークが必要ですが、従来のWANはコストや運用管理の面で課題がありました。そこで注目されているのが、sd-wan(SoftwareDefinedWideAreaNetwork)です。sd-wanとは、ソフトウェアによって仮想的なネットワークを作る技術・コンセプトの総称です。
ソフトウェアとハードウェアを論理的に分けることで、WANを仮想的に一元管理できます。これにより、柔軟なネットワーク構成やトラフィックコントロールなどを実現できます。導入するメリットとしては、コスト削減や品質向上、運用効率化などがあります。インターネット回線やLTE回線などを活用することで、高価な専用回線やVPNを減らすことができます。
また、ソフトウェアによる最適化を利用することで、通信品質やセキュリティを向上させることができます。さらに、中央から全ての拠点やデバイスを統合管理することで運用効率化が図れます。迅速な出店や移転にも対応しやすくなるというメリットもあります。sd-wanは多くの企業に導入されており、成功事例も多数報告されています。
例えば、店舗数が多く移転も頻繁な飲食チェーン店では、LTE回線も活用して出店時のIT運用開始を速めた事例や、日本や中国、韓国、台湾を結ぶWANインフラを国際IP-VPNからVMwaresd-wanにリプレイスし、コスト削減と快適なアプリケーション利用を実現した事例、インターネット回線から閉域網へ切り替えて年間通信コストを大幅に削減した事例などがあります。sd-wanはITや通信関連ジャンルの必須ワードです。企業のビジネス変革に欠かせない技術として今後も注目されていくでしょう。